2005年10月17日月曜日

靖国神社

 ようやく山崎豊子さんの「二つの祖国」読了、この本を読むのはこれで3~4回目
偶然にも、読み終わった今日、小泉首相が靖国神社参拝、なにやら複雑な気持ちです。

 この小説は、アメリカ市民権を持つ日系二世の主人公が、二次大戦開戦後、
日系人であることを理由に米国内の収容所に収監されるなど、祖国アメリカから裏切られ、
もう一つの祖国、日本からも米国籍を持つことを理由に疎んじられる、という史実がテーマ、

 それと、もう一つの大きなテーマが東京裁判についてで、
山崎豊子さんはこの裁判にたいして大略、次のような問題提起をしているように思います。
    ・戦勝国が敗戦国を裁く是非      ・ポツダム宣言受諾と東京裁判
    ・侵略目的と防衛目的          ・天皇の戦争責任
    ・原子爆弾投下と戦争犯罪       ・日ソ中立条約とソ連の検察権

 どれ一つとっても大きな問題ばかり、
あれだけの戦争だったのですから、それも当然でしょう。
今日の小泉首相の靖国神社参拝で、またぞろ、
A級戦犯、東京裁判などについての論議が再燃するのでしょうが、
立場の人の数だけの真実があるもの、簡単に判断できることとは思えません。

 浅学非才のおじさん、「二つの祖国」を読み終えて、久方ぶりに真剣に考えます・・・、
戦後、この戦争が何であったかを、日本の国と国民、国民と国民との間で、
自らが分析・追求することをせず、国家間のケジメの東京裁判をこれに代替してしまった
側面はないのだろうか?、
それが今になってもなお、国内の夫々の立場の人に、何か割り切れない
夫々の想いを残してしまっていて、それが中国や韓国との外交問題を引き金に
噴出しているのではないだろうか・・・。
 でも、戦後の混乱の中で、
果たしてそんなケジメをつけることが出来得たのかは大きな疑問、しかし今頃になって、
60年前の事について正しい評価なんて出来るもんじゃろかい?・・・、と。  

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